屯田窯の陶芸家「清水裕幸」公式ブログ

北海道最大の登り窯「屯田窯」の日々と作品を紹介するブログ

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ワンポイントアドバイス:触らないで作る

8 1月, 2010 (21:13) | 未分類 | By: hiroyuki

壷 物を作るときに素人的には一つを作るのにじっくりと時間を掛ければかけるほどいいものになると考えるかもしれませんが、実はその逆です。

どうしてなのかと思われるかも知れませんが、例えばお鮨をにぎる職人と素人とが一見同じように見えるものをそれぞれにぎったとしましょう。同じように見えても素人が見よう見真似で形にするものはかなりの時間がかかり、手間はプロより掛かっていることは間違いありません。

しかし実際に食べた時にその違いは歴然とするでしょう。この違いはなんなのでしょうか?それは触りすぎると素材が死ぬということです。ネタに触るのは最小限にとどめなければならないのは言うまでもありません。しゃりも然りです。土も同様で水をつけながら作るわけですが、ずっと触っていますと水がまわりすぎてくたくたになってしまいます。

同じように土も触っていればいるほどよいものにはなりません。私たちでも作っている最中に何らかの理由でしっくり行かず、でも何とか助けたいと四苦八苦して作り上げたものはやっぱりいまいちの物にしかなりません。

ではどうしたら良いのでしょうか?それは作る練習をする際に「とにかく何とか作る」というやり方ではなく、必要な手を掛けても造りきれなかった場合は深追いしないでむしろ別の土で新たに造るということを繰り返すほうが良いということです。

つまり鮨でもろくろでもその作業工程を躊躇や迷いなく作れるように反復練習しかありません。これが出来ている人かそうでないかは作品にも表れますし、作っているほんの瞬間を見ると分かってしまうものです。

最近、ある車のコマーシャルで陶芸と書と碁の女性三人が出ていますが、陶芸家といわれる女性(最初は素人かと思っていました)のロクロのシーンが映るのですが、そのわずか数秒でものを見なくても技量が分かってしまうものです。

わたしたちでも例えば抹茶茶碗のようなものを造る際には100くらい作って、20くらい残し、削りなどが終わってさらに厳選し最終的に10窯に入れるかどうかというやり方わするのです。

ですから可能な限り触れないで作るという意味が少しわかっていただけたでしょうか…

そしてもう一つの理由は作りこみすぎたものは作品に作意が見えすぎていやらしい感じがするのと作りに切れがなくなってしまうことです。

結論としては冴えたものを造れるかどうかはどこまで手を掛けるかではなくどこで止めるかの方が難しいのです。

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