屯田窯の陶芸家「清水裕幸」公式ブログ

北海道最大の登り窯「屯田窯」の日々と作品を紹介するブログ

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化粧と土の相性

15 7月, 2011 (00:20) | 未分類 | By: hiroyuki

化粧剥離

粉引きと言う技法は土の上に化粧と言われるものをかけます。生で、つまり乾燥する前にかける人もいれば素焼きをしてからかける人もいます。これは人によってどのタイミングでかけるかは異なります。

しかし、口で言うほど簡単ではありません。時々質問されるのは「化粧をするとどうしてか剥がれてしまうんですが、どうしてなんですか?」

これは簡単に言うと化粧より本体の収縮が大きいか、またその逆の場合に生じます。

つまり、双方の収縮率が近ければ近いほどこのようなトラブルはなくなるというわけです。

ですから、粉引きをしたいと思う場合、先ずこの難関をクリアしなければならないのです。

でも一口に粉引きといっても多種多様です。

萩焼に代表されるような御本手といわれる斑点が入ったもの、ぽってりと厚くかけてちょっと絹ごし豆腐のような柔らかでやさしい雰囲気のもの、鉄分のある生地との反応で豪快で荒々しい雰囲気のものなどなど

前者の二つが新雪に例えるなら、最後のものは残雪と言えるかもしれません。

これほど一つの技法でバリエーションが異なるものは他に無いと言っても過言ではないでしょう。

つまり、土の種類、焼き方、化粧の調合と濃度、上薬の調合と濃度などこれらの条件を変えることで無限の可能性があるのです。

今のものが完成されたものだとは考えていませんので、今後とも探り続けていきたいと思っています。

上の写真はある土を試験してみたところどうやら土の収縮率より化粧の収縮率のほうが高く、乾燥が進むにつれて剥がれ落ちたものです。

つまり相性が合わないということです。

難しいけどこの追求はたまらなく楽しい。

試験焼きする時には毎回わくわくします。大抵はがっくりと言う結果に終るのですが、この探究心は尽きません。この探究心こそ陶芸家の生命力です。

現在、北海粉引きとは違う新たな粉引きの新作を試みています。早ければ九月の旭川の陶芸フェステバルに間に合うかも知れません。

いずれにしてもしばらくぶりに屯田窯で行う秋の窯出しイベントにはお披露目できるよう間に合わせたいと思っていますので楽しみにしていてください。

これからはとにかく化粧と釉薬のあらゆる調合比を試験しなければなりません。

楽しくてこればかりしているともの造りができないのでバランス取らないといけないんですが…(苦笑)

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