屯田窯の陶芸家「清水裕幸」公式ブログ

北海道最大の登り窯「屯田窯」の日々と作品を紹介するブログ

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土の特性

30 5月, 2017 (22:22) | 屯田窯の日常 | By: hiroyuki

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これは失敗例ですが、土というものはいろいろ性質が変化します。

同じ土でも水分の含有量によって硬さや柔らかさを左右しますし、、どのくらい寝かせたかによって

粘りを左右します。

そればかりではなく、水簸つまり土を精製する工程として水に溶かしたものを濾す方法をとるか、

あるいは乾式、つまり乾燥させたものを砕いてふるいにかけて、その粉に水を足して作る方法

をとるかで作りたての時はかなり性質が異なります。

ろくろで成形した後、高台を削るプロセスがあるのですが、このプロセスも水分量

つまり硬さがその後の仕事を左右します。

今回の失敗は、かなり固くなりすぎてしまったものをまた水分を含ませるようにしていわば水戻し

ということをしました。

なんとかいけそうに見えましたが、このような結果になりました。

原因としては、一度水分が抜けると粘り気や弾力を失ってしまいます。

同じように見えても一度水分が抜けたものはバクテリアが死に粘り気がなくなるので持ち手を付けた部

分に重みがかかった時に粘度を失った土はもはやそれに耐えきれず裂けるという現象となってしまった

のです。

このように同じ種類の土でも刻々とその状態は変化しているのです。

実はろくろで作るときの柔らかさ以上に、削るときの土のコンデションは仕事の効率、出来上がりの

雰囲気をかなり左右することになります。

なかなかこの固さを見極めるのが、かなり経験を積まないと思った以上に難しいようです。

教室の生徒さんたちにしばしばこのくらいの硬さがベストコンデションだと何度伝えてもある時は

柔らかすぎ、ある時は硬すぎとびったりのことがなかなかありません。

しかも、わたしたちは少し柔らかいならちょうどよくなるまで待ちますが、生徒さんたちは「まぁい

いや」と言ってやってしまいます。

そして案の定失敗します。

携わらない方には知られていない情報かと思いますが、土のコンデションを見極め、ベストの時に仕事

ができるよう見極めることは大変重要なことなのです。

ここで陶芸ビギナーにワンポイント!

陶芸では上の写真のように持ち手、カップの取っ手、あるいはポットの注ぎ口など何かを本体に合体さ

せることがしばしばありますが、時に付けた部分にヒビが入り浮いてきたりすることはありませんか?

ちゃんとドべ(土を溶かしたもの)をつけてきちんとつけたはずなのに翌日そんなことに…

下手すると完全に離れてしまってることも…

この原因は、後からつけたものと本体の水分量が違うからです。

本体は乾燥がどんどん進み、後からつけたものとの間に差が開いていくのです。

土は乾燥と共に収縮しますので、くっつけたつもりに思えても乾燥しながら大きく収縮していくものと

そうでないものとの間に亀裂が生じるというわけです。

これを解消するためにはゆっくり乾燥させる必要があります。

できれば発泡スチロールのようなものに一度入れて密閉します。

その後、徐々に乾燥させるようにします。

白っぽくなってきても上記のような現象が起きてなければ大丈夫です。

しばしはこんなトラブルに悩まされてる方は是非試してみてください。

よろしければ、こちらにコメントをお寄せください