忙しい時は重なるもの
えべつのやきもの祭りが近づいておりますが、北海粉引きの商品が品薄ですので、イベント前に一窯焚きたいと思って日程に間に合わせるために逆算しながら、いつもカレンダーとにらめっこしている今日この頃ですが、窯出しと荷造りの一番忙しいイベント前日にまたまたテレビの取材が入ってきました。
いつもそうですが暇な時はどうしようもないほど暇なのに忙しい時に限ってこうやっていろいろ入ってくるんですよね。(苦笑)
まぁ窯詰めとかの日じゃなくて良かったですがぁ…
そんなことより私はとにかく無事に窯が焼けてくれることを願うばかりです。
何十年携わっていても窯開けは緊張の瞬間です。時として思わぬアクシデントがあるので、わくわく感もありますがそれより「無事に焼けててくれ」と祈る思いと言うのが正直な心境です。
特に道内産原料100パーセントにこだわってから、何度も苦い水を飲まされてきましたので、これを始めてからかつて無い不安が付きまといます。
過去のブログでも取り上げたことがありますが、一生懸命造ったものが温度に耐え切れずヘタってしまうことがあったり、ちょっと専門的になりますが、化粧の濃度や釉薬の濃度や窯の還元の深さ、さらには同じ温度であっても焼成時間の違い(これは窯の詰め方により、炎の流れが理想的なものにならなかったり、あるいは皿の様なものが多く、窯にぎっしりと詰まっていると温度の上がりが遅くなる)、こうした複雑な要素が関係しますので毎回同じようにはならないのです。
この種の失敗に遭遇するたびに「こんなに苦労しなくても…」と安定した土をブレンドしたくなる誘惑に駆られますが、自問自答して踏みとどまる、の繰り返しなのです。
時々まったくジャンルは違っても自分の信じた信念を貫く姿勢を取り上げられるのを見るたびに改めて「自分もこれでいいんだ」と再認識いたします。
探し回ってやっとめぐり合った土
たかが土されど土
なんだかテーマと離れてしまいましたね。(笑)
時々「ここの粉引きは今まで見てきたものと違う」と気に入ってくださるお客さんにお会いする時苦労が報われた気が致します。
さぁ無事に焼けてくれよぉ