新十津川産陶土 大物
先日試したものは比較的小さなカップでしたので、今度はある程度大きなもので試してみようと
思いまして、まず壷を作りました。
作り味が美しくないですか?
ろくろ目が下から上までふぁ~っと入っていて、綺麗ですよね。
こういう大きさで、こんなろくろ目で上まで引き上げられる為には土がかなり腰の強いもので
無ければなりません。
この写真からわかりますように、かなり可塑性に富んだ優れものです。
このような袋物と言われる球体はある程度無理のかかる形状ですので、焼いて失敗するリスクも高くな
ります。
なので是非試してみる必要があります。
次は直径34センチほどの大皿です。
これも腰が強いゆえにかなり薄造りができます。
通常、このような平物つまり皿類は重力がかかりますので、へたりやすいのである程度
肉厚に作る必要があります。
それも土の条件によってかなり左右します。
腰の弱いつまり可塑性の乏しい土ですとかなり肉厚に作らなければなりません。
土ものというのは作った時が美しいものですが、削る部分が多ければ多いほど
ろくろでの作り味が失われてしまいます。
ですから、逆に削る部分が最小限であればそれだけろくろの作り味を残すことができます。
その点この土は市販の土のそれをはるかにしのいでいます。
この皿の淵から三分の一くらいまではわずか5ミリほどの厚さで作られています。
私がこれまで手掛けてきた土中でも一位二位を争うほどの可塑性です。
本当に優れものです。
粘りもあり、可塑性に富んでいますので、陶芸教室に通うビギナーでも一般的な土より
はるかに作りやい実感されることでしょう。
これを使えば今日からあなたもろくろ名人!(笑)
でもあながち冗談でもないと思います。
もちろん、作りやすいだけでは一つの条件を満たしているに過ぎないので、これから高台を削って
乾燥、そして実際に本焼きしてはじめて成功と言えますのでまた大それたことは言えませんが、
作りやすさの点では少なくてもトップクラスといって間違いありません。
それは太鼓判を押します。