私にとっての個展
正直、個展を開催するには相当のエネルギーがいります。売れ筋ばかりではなく、会場を飾り、お客様が見るに値すると感じるものを作らなければなりません。ということは単に食器を数作って叩き売りのように並べるというのではなく、一点物や力作をつまりその時点での集大成を披露しなければなりません。初めてのお客様も勿論いらっしゃいますが、大抵は案内状をお出ししたお客様が見え、当然過去の作品との比較し技量や作風の違いなども見ていただくことになります。
ですから、その期待を裏切らないようにというプレッシャーがあります。でも「そんなに大変ならそんなことやめて別の売り方、しかももっと確実で効率的な売り方を考えれば良いのに」と思うかもしれません。
それはそうなんですが、公募展などに出さない私にとって個展をやる意味は単に売り場の確保以上のことが関係しているのです。上記のような試練をあえて課すことで自分の仕事を見つめ、自分の仕事の方向性や進歩を確認したり、普段できないことが出来る機会が与えられるのです。
出来ればこんな仕事で食べていければいいのですが、このご時勢そんなわけにも行きませんので、比較的地味な仕事もしますが、個展では作家としてのそのフラストレーションを爆発させることが出来る機会となります。
私を見続け、育ててくださったファンの方々の励ましや批評は何よりの原動力ともなります。
さぁ春の三越個展に向けて頑張るぞー!