屯田窯の陶芸家「清水裕幸」公式ブログ

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穴窯窯焚き報告

23 10月, 2010 (22:25) | 未分類 | By: hiroyuki

窯の湿気

2010年10月穴窯窯焚き スタッフと窯 温度計

17日日曜日午後二時バケツをひっくり返したような雨の中で火入れが行われました。

昨年焚いていないこともあり、窯が水を多分に吸っており今回は1000度過ぎまで上の写真のように湯気が上がるという窯でした。しかし、これは予測していたことでしたから不安は感じていませんでした。

今回の窯の成り行きに不安を感じ始めたのは二日目の夜でした。「少々温度上昇はゆっくりだなぁ」なんて感じましたが、それほど問題視するほどではと軽く考えていました。

しかし、二日目の夜になって熾きの色、丸太の燃えるスピード、加えてこれまでの窯焚きでの時間から比較した温度上昇率を考えると普通ではないと急に不安に襲われました。

理由は前回のブログでお伝えしました薪の乾燥状態であることはすぐに理解できました。「もしかして今回のこの窯は必要なトップ温度に達しないのではないだろうか…」しかし、「いまさら引き返すわけにも行かないのでやるだけのことをするしかない」と自分に言い聞かせ不安のうちに薪をくべ続けました。

始めはいつもどうりの焚き方をしていましたが、どんなにがんばっても少しずつ上昇しているものの1200ちょろちょろしか上がりませんでしたので、このいつものパターンではこれが頭打ちと思い、焚き方を変える、しかも少々型破りなことをしないとだめだと思い、思いつくことをやってみました。

下手するともっとあずらせたり、温度を大幅に下げたりする可能性がありますので、かなり賭けになることでしたがやるしかありませんでした。

しかし、これが功を奏し温度を上げることができました。そしてようやく1240度近い温度になり、スタッフにメールにて知らせました。灰は1200度くらいから溶けますがそれではまだ溶け方が硬いのでやはり少なくともこれくらいは欲しいと思っていた温度が得られとりあえずホッと致しました。

その後、日数を焚いている利点ですが、日増しに窯に勢いがつき、最高温度として1280度にまで達しましたので、「焚けたぁ~と本当に安心しました。いつものように丸太を入れて後はほぼ腕組をして眺めていればよいというのとは違い、絶えず工夫が求められましたので、スタッフには余分の心配や労が強いられましたが、本当にみな自分の窯のように献身的に焚いてくれ大いに助けられました。

いつも終わりまで心配なのですが、今回は上記のようなのっぴきならない状況でしたので、窯焚き期間中仮眠のために自宅に戻っても3時間以上続けて眠ることはありませんでした。さすがに昨夜は八時にはもう全身麻酔でもかけられたかのように起きていられなくなり、おまけに今朝の八時までなんと12時間眠り続けるというここ何年も経験したことのないことを経験できました。

でも改めてこの窯がいかに熱効率のいい窯かということを実感いたしました。恐らくこの薪の状態では普通の窯では焚けなかったと思います。

後は窯出しを待つばかりです。作品の良し悪しは別としても必要な温度は得られましたので、とりあえずは焼き物にはなっていると思いますので第一関門クリアという感じです。出産前に器量はともかく五体満足の子供だということがわかっている親の気持ちに似ているかも知れません。勿論、器量が良くないと決まっているわけではないので十分期待していますが…

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