屯田窯の陶芸家「清水裕幸」公式ブログ

北海道最大の登り窯「屯田窯」の日々と作品を紹介するブログ

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陶芸の道具

25 3月, 2017 (21:50) | 屯田窯の日常 | By: hiroyuki

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焼きものづくりで実際に使う道具は極めて単純なものばかりです。

木や竹や鉄の板などで使いやすいように加工します。

でもカタログなどを見ますと実にいろいろな道具があるようです。

どうやって使うのかプロの私が見てもわからないようなものさえあります。

でも一番大切な道具は何でしょうか?

それはなんといっても手です。

これほど素晴らしいものはありません。

普通道具はある一つの目的だけしか用をなしません。

しかし、手はとても多くのことそうです何役もします。

例えば、その土に触った瞬間に粘り気や固さなどを瞬間的に脳へ情報として送ります。

そして、実際に土を手で練りながら多くの情報をさらに脳へ伝えます。そうですより細かかな情報を

ですから、ろくろに乗せる前にすでに多くの情報をつまりその土の特徴や先ほど挙げたその土の状態を

手はその感覚でまず見極めてくれます。

それから実際に水を付けて回転させ、土ころしというプロセスに入りますが

この時にさらなる情報が入ってきます。

それはその土の腰の強さです。この情報はこの段階で入ってきます。

そして作り始めますが、まず作るものに応じて瞬時に手で分量が感覚で分かり

必要な分量を取ります。これを土取りといいます。

ろくろで作るというのは端的に言って言わば伸ばす作業です。

伸ばしながらその土が伸びる感覚をその感触から理解します。

裂けたり、へたったりしそうになる土もありますので、それを感覚的に手は脳に伝えます。

脳は過去の経験を踏まえつつどうすべきかをこれまた瞬時に手に伝えます。

これらすべてを瞬間的に成し遂げるのです。

さらにろくろは水を付けながらできるだけ摩擦抵抗がないようにして作りますが、

その実に微妙な水分量も肌で感じています。

そしてその手は伸ばしたり、縮めたり、膨らませたり、ひらいたり、閉じたり、広げたり自在に操るの

です。

もちろんそれは多くの経験を通して感覚を養い、熟練することが求められますが

しかし、こうしたことを成し遂げることが人間の手には可能なのです。

人間性の道具は一つの用しかなさないのに対し、神が作られた手という道具は非常に優れた感覚器官

また道具なのです。

とかく素人の方々はいろいろ道具を集めようとしますが、何より大切なのは手という道具を使いこなす

ことなのです。

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